1、心をリラックスさせること
①、心のリラックスには、幾つの段階がありますか?
心のリラックスには2つの段階があります。
(1)、最初の段階
真夏の昼間に外を非常に暑苦しく思いながら歩いていて、やっと適当な木陰を見付けてその中に入った時に感じる清涼感・安堵感・心地良さなどが最初の段階です。この時の気持ちは、特に苦しい訳でも本当に気持ち良い訳でもありませんが、この時の、苦しさからある程度解放されて感じられる感覚を、忘れずに維持する事が出来るのなら、次の真にリラックスした段階に入れます。取り敢えずこの時の気持ちに満足して維持する事が重要です。これが出来れば心が解放されて気持ちが軽くなったように思え、次のステップに入る事が出来ます。
(2)、真のリラックスの段階
この段階とは、心が潤って心地良さにあふれ、本当にリラックスした状態です。このような心の状態になれば眩しくない、それでいて暖かい光が見えます。ここで重要な事は、光が見えた事または見えた光に拘ってしまい、もっとはっきり見たいとか、もっと大きく見たいとか、もっと奥まで見たいとか言うように光に対して追求しないで下さい。してしまうと心がこの状態から外れてしまい、最初の状態に戻ってしまいます。もしそのような状態になってしまったら慌てないで最初の段階からもう一度始めましょう。正しい方法は正しい結果に繋がります。たとえどのような明るさで光が見えたとしても、拘らないで下さい。その光がどれほど微かで淡いものだとしても気にせず、ただそれを見続けてください。そして薄目を開けて外を伺うような事もしないで下さい。
②、心のリラックスの現れ方には、どのようなものがありますか?
(1)、その一つは、自分で心をリラックスさせる事です。例えばこれまでに行って来た良い行い、良い行いをした時の気持ち、山の上や海岸に立った時や、景色の素晴らしい場所に立って見た時の気持ちを思い出してください。これがまだ出来なければ、自分の呼吸を意識せずに深くゆっくりと続けてその状態を維持して下さい。このようにすれば自然に気持ちが軽くなって安堵感・満足感が拡がり、それが表情にも表れます。このような状態になればもはや余計な考えは頭に入らず、自分の呼吸と宇宙が一体化したかのように想像できます。息を吐いたときに吐いた息が太陽や星々までにも届き、次に吸えばそのまま太陽や星々と共に体内に息を吸い込み、そのまま中心に留める事を想像することです。
(2) もう一つは、法身に至った時に溢れ出す心の心地良さです。それは体重も感じなくなり肉体さえも忘れ去る感覚です。
③、真に無心な状態の心地良さと、次々と湧き上る想像に囚われている時の心地良さではどう違いますか?
次々と湧き上る想像を追い掛けている状態は真の心地良さとは違います。それは妄想に囚われている状態です。本当の心地良さと言うのは、体の中心を軽く優しく感じ取ることで自然に生じてくる気持ちです。
④、どうすれば体と心をリラックスさせられるでしょうか?
体と心には深い繋がりがありますので、体がリラックスできれば心も自然にリラックスできるのです。しかし、体調が良くない場合には心もリラックスしにくいでしょう。ですから体調が良くない場合においても心をリラックスさせられるように、毎日起きた直後と眠る前に習慣として瞑想を続けることをお勧めします。
また、日常生活の中で心にさまざまなストレスを受けることもあるでしょうが、そのストレスとそれを受けた時の記憶は、心の重荷となってリラックスを妨げますので、出来る限り気にしないように心掛けましょう。そのような姿勢で毎日を過ごす事が出来るようになれば、自然と心も体も開放されて軽やかになり、やがて心が完全にリラックスできる境地に至ることが出来るでしょう。
⑤、どうすれば常に穏やかで心地よい気持ちを保つ事が出来るのでしょうか?
常に周りの人達に対して優しい穏やかな思い遣りのある気持ちで接することが重要です。たとえ相手からどのような事をされても、その人を許してあげましょう。それが故意でも故意でなくても。このように心を育てることが出来れば、必ず瞑想に役立つでしょう。
⑥、どうすればもっと簡単に瞑想の成果を出すことが出来るでしょうか?
常に心地よい気持ちを保つ事と、リラックスした心を保つ事が重要です。この二つを共に保てなければ瞑想の成果は容易に出ません。